『ソラニン』/浅野いにお

ソラニン 1 (ヤングサンデーコミックス)

ソラニン 1 (ヤングサンデーコミックス)

ソラニン』/浅野いにお小学館)を読んだ。
 ここ十数年、漫画を読まなくなって、かつて、いくえみ稜とか紡たくとか、女の子の恋と失恋みたいな、そういうのに夢中になっていたっていうことも忘れて過ごしていた、ここ最近は。
 浅野いにおの作品を読んでみようというきっかけになったのが、雑誌『H』での峯田との対談で、さらに夫がこの人の漫画を愛読していたことで繋がった。最近、気になる物、ヒトが繋がっていく傾向にある。
 リンクしてくたびに鳥肌が立つような心地。それで今回、実家に帰ったので夫の書斎(?)からこの本を持って帰ってきたというわけだ。
 近ごろは年をとったせいか、共感できない青春ものも数多くあるのだけれども、この青くて、だけどもこの先はこのまま続くってわけじゃないんだよな、っていうこともどこかでわかっていて、それでも、今少しのあいだだけはこのままでいさせて、というようないわゆるモラトリアム時期の男の子、女の子の話は、わたしのこころを揺らした。
 この道を通ったことがあるのだという実感がある。これってみんなあるのかなー?その頃のわたしには、周りの友達が迷いもなく堂々と、自分の道、やるべき職業だったりをしっかり見極めて進んでいたように思えていたんだ。
 主人公芽衣子、と同棲している彼氏の種田、恋愛とか友達とかバンドとか、夢だったり、だけどすべてそれにかけて突進できない勇気のなさだったり、そうは言っても何年か経ったらフツーに疲れたサラリーマンになってんだろうなーっていう予想だったり、だけれども、この今の生活、こうして好きな人、友達と一緒にいられること、そこで笑っていること、そういうのがすんごく幸せなことなんだよなぁーって気づく瞬間があって、それなのに、やっぱりこんな平凡と思われた幸せ、それすらも維持していくことは楽なことではないのだと気づかされる出来事が起こってしまう・・・。ここを乗り越えて、絶対に戻れない過去を何度も思い出して、ちょっとずつ、それも気づかないうちに、大人になっていく、なってしまうんだろうな。銀杏の歌とリンクするような世界だった。あーこれは繋がるのわかるわー。同じ世界の住人、また発見。