恋愛は、つらいものじゃなかったのか?

愛しすぎる女たち (中公文庫)

愛しすぎる女たち (中公文庫)

 愛することが苦痛をともなう時、私たちは愛しすぎているのである。
という言葉からはじまるこの本。女なら誰しも身に覚えがあるような話にドキっとさせられる。むしろ、こんな気持ちわからない、という人とはわたしは友達になれないだろう。
 セラピストである著者ロビン・ノーウッドが出会った愛しすぎる症例をもとに、その心理、からくりを明かしていく。更に“愛しすぎ中毒”とアルコール依存症との類似点を揚げ、その回復に必要なことを提案してくれる。この本はアメリカで爆発的にヒットし、多くの読者の共感を得た。ノーウッドは、「これはわたしだ!」という読者から沢山の手紙をもらった。読者の手紙とそれに対する返信として発表されたのが、このシリーズ2作目の『愛しすぎる女たちからの手紙』(絶版)だ。
 この愛しすぎる女たちの背景には、アルコール依存症の家族がからんでいることが多い。彼女らの多くはそういった家庭で育ち、依存症の人間の世話をするうちに、共依存という関係になってしまう。共依存というのは、アルコール依存症(他の依存症なども同様)の人間を支え続ける自分、この人はわたしが居ないとダメになってしまう、自分はこの人の役に立っている、自分は頑張っている、だから自分は価値があるのだ、という思考に至ってしまい、結局アルコール依存者の手助けをし、自分もその波瀾な生活に翻弄されてしまう人たちのことだ。これは、何もアルコール依存だけではなく、精神的に不安定な人間や、暴力をふるう人間の近くにいる人も同じように陥りやすい状態だ。彼女らは、尽くすことに自分の存在価値を見出してしまうのだ。彼女たちの多くは、自分ならこの人を救えるはず、とか、この人を変えられるのはわたしだけ、という思い込みをしてしまう。家庭や恋愛関係において、この共依存に陥ってしまうことが、この愛しすぎる苦痛のはじまりだ。暴力を繰り返す、借金を繰り返す、浮気を繰り返す、そんなパートナーと別れられないという話は意外によくある。そういった人たちは、共依存に陥っている可能性が高いだろう。
 この本の中でわたしが感じたことは、パートナーはわたしではない、ということだ。何を当たり前のことを・・・と言われそうだが、これは重要なことだ。わたしは、どちらかというとパートナーを変えようとしてしまう癖がある。相手にとっても良いことだと思って口出しをしてしまうのだけれども、本当はそうやって相手をコントロールすべきではないのだ。ここらへんが難しい。
 本のタイトルがそうなので、女の話としてここまで書いたけれども、実際にはこの本に共感する男たちもかなり多いのだとか。
 なんで恋愛するといつもこんなに切なくなるの?と思っている人は読んでみる価値ありの本。