読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

帰省中に持っていった3冊

 脳みそが溶けちゃうんじゃないかっていうくらい暑い。北海道から戻った日に梅雨明けしたようで、いきなり夏になってしまった。あの心地よい風はもう味わえない。
 帰省するときはいつも本を2、3冊持って行くのだけど、飛行機の中で1時間ほど読むくらいで実家でもほとんど手をつけられず、結局1冊も読み終えることができないで、また東京に戻って来るといったことが毎回繰り広げられている。わかっちゃいるけど同じことを繰り返す。奇跡が起きない限り。で、今回持って帰った本3冊はこれ。

論理哲学論考 (岩波文庫)

論理哲学論考 (岩波文庫)

ウィトゲンシュタイン論理哲学論考』は、箇条書き的に書かれた哲学書だ。箇条書きならば、どこから読んでも通じるかと言えば、それもまた難しく、前後の繋がりを理解していないと内容を途中で見失う。たとえば真夜中に、眠れなくてこの本を手に取ったとする。思いのほか脳が反応を見せ、論理を咀嚼し飲み込み、するすると吸収されていくのを感じる。そして「私は理解した!」と思う。確かにその時には、それは真実だったのかもしれない。けれども、ある日、AIRDOの機体の中で乱気流に揉まれてガタガタしているその時に、この本を読んでみると、はて、一体私は何を理解したというのだろう?と全く歯が立たないなんていう気持ちにさせられる。私は沈黙するしかない。
「およそ語られうることは明晰に語られうる。そして、論じ得ないことについては、人は沈黙せねばならない」
城―カフカ・コレクション (白水uブックス)

城―カフカ・コレクション (白水uブックス)

 ずーっと昔、新潮文庫でこの本を読んだのだが、途中で挫折してしまったという経緯がある。今度は、池内訳で再挑戦。
日日雑記 (中公文庫)

日日雑記 (中公文庫)

 武田百合子最後のエッセイ集。書いてることは本当に日常の些細なこと。その記録といってもいいのに、どうしてこれほど人を惹きつけるのだろうか。それはもう、文筆家云々の技術やら何だかんだではなく、この人の魅力そのものがここににじみ出ているんだなーと思う。

 北海道の夏の涼しい夜を思いながら、さぁ、また日常だ!