梶井基次郎を読む

梶井基次郎  (ちくま日本文学 28)

梶井基次郎 (ちくま日本文学 28)

 『檸檬』ぐらいしかまともに読んだことがなかったんだけど、毎月買っている「ちくま日本文学」のお陰で、他の作品を沢山読むことができた。何で今まで読まなかったんだろう。特に『ある崖の上の感情』なんてかなりツボだ。あり得なさそうなありそうなシチュエーションで、ちょっと変態チックな妄想と日常が点在してる崖の上からの風景は、私もいつかどこかで出会っていたような気がしてしまう。これもデジャヴと呼ぶのだろうか?『冬の蠅』も情景がありありと浮かんでくる。浮かびすぎて、蠅が身体に止まる感触すら思い出してしまった。キモチワルイ。梶井基次郎は憂鬱と戦っていた、いや共存していたとでも言うのかな。彼の、憂鬱なこころの描写というのはリアリティありすぎて痛い。その痛さが共感なんだけど。