舞姫

現代語訳 舞姫 (ちくま文庫)

現代語訳 舞姫 (ちくま文庫)

 現代語訳で『舞姫』を読んだ。現代語訳だけど、原文の雰囲気を残していて自然だった。日本語を日本語に訳すっていうのもよく考えたら不思議な話だけど。どうしてこうまで言葉は変わるのだろう。あと100年経ったら、私がここに書いているような言葉も読める人にしか読めなくなるのだろうか。
 さて、内容だけど、おそらく当時としてはエリート青年の、外国人女性との恋の末の苦悩・・・みたいなのは本当に斬新だったんだろうなと想像する。出世や祖国への想い⇔エリスとの恋愛、主人公豊太郎は、ここを揺れ動き、彼女にははっきりと伝えることができないまま、帰国を決める、けれど本当はまだ迷っている。それなのに、この帰国/出世の話を持ってきてくれた天方伯の随行員である相沢に「はい」の返事をしてしまうのだった。エリスは豊太郎の子どもを身籠っている。旅先の一時の恋愛で済まされないところがここにある。エリスは何か予感のようなものを感じるのかいつも、私を捨てないでと言う。豊太郎がモタモタとし、エリスに直接何も告げることもできない間に、相沢が彼女に真実を話してしまう。エリスは豊太郎に裏切られたと知って精神を病み、豊太郎は帰国する。あああああ!何て暗いんだ!他に何とかならんのか!・・・・っていうのが文学であるところなんだけども。現代に生きる私たちには「何かもっと方法があるだろうに!!」と思ってしまう。が、それは短絡さゆえ、情緒のなさゆえ、なんだろうな。避妊しろよ、とか日本連れて帰ればいいじゃん、とかそういう問題ではないんだよね。けど何だか、こういう明治のモチャ男にはとってもイライラする私です。あ、現代でも腹立つけど。