今は読めぬ

堀辰雄 (ちくま日本文学)

堀辰雄 (ちくま日本文学)

 やっぱり好きな感じ。昔『風立ちぬ』を読んで受け取った透明感、どこかで出会ったような景色がすーっと心に入ってくる。けれど・・・父の病気、入院の話を実家の母から聞き、どうしてもページを開くことができなくなった。遠い過去あるいは全く関係のない暮しをしている時には平気。だけど闘病、それそのものが現実にあるときに読むのはとてもつらい。わたしは今まで「文学」をエンターテイメントとしてしか捉えていなかったのかもしれない。そう思っていたつもりはないけれど、虚構であることを前提に安心しきっていた気がする。