読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

星空を見上げて

星空を見上げて

星空を見上げて

 立川のオリオン書房で見つけて、あまりの美しさにぽーっとし、何度も手に取っては悩んでいた写真集を今日、とうとう買った。「食べたくない」父へのおみやげに。
 28歳の頃、わたしは水疱瘡にかかって入院した。その時、とある温泉施設のパンフレットを何度も眺めたことを思い出す。水の青さ、窓から入る光の加減が天国のようだ、と思ったのだった。水疱とかさぶただらけの身体で、1か月間風呂に入れなかったわたしにとっての天国だ。何度も何度も1つの写真を眺めた。それが健康な暮らしへの想像をかき立ててくれた。病室の窓から見える、空の青さが忘れられない。あまりにくっきりとしていた。肉体が闇に入ると、外の世界が光りすぎてまぶしくなる。