読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

Don't panic!

不安・恐怖症のこころ模様 パニック障害患者の心性と人間像 (こころライブラリー)

不安・恐怖症のこころ模様 パニック障害患者の心性と人間像 (こころライブラリー)

 パニック障害という病気は御存知だろうか?わたしは、10年近く前にある友人がこの病気であると告白したために存在を知った。彼(彼女)らは、特定の場所(電車であったり公園であったり)や特定の状況に陥ると、心臓がバクバクし、息が出来なくなり、冷や汗をかき、このまま死んでしまうのではないか?といった恐怖に苛まれる。(症状には個人差があり嘔吐、失禁などもある人にはある)そしてこの発作は繰り返し襲ってくるので、いつ、それが始まるかわからないために不安にかられ(予期不安)、一歩も外出できなくなったりする(広場恐怖)。
 この本の中にはたくさんのパニック障害患者が登場する。ある事件をきっかけに発症する人もあれば(PTSDとの関連性)、夫の浮気を予期したような不思議な連動で発作が起こる人まで様々だ。多くの人は、電車(特に急には降りられない特急列車)などで不安を感じ、実際に発作を起こしてしまう。この病にはおそらく、性格的な要因が隠されている気がする。真面目で神経質であるがゆえに、発作を起こしたらどうなってしまうのだろう?すぐ降りられないから人に迷惑をかけるのではないか?などの不安が余計に発作を引き寄せてしまうという悪循環を作ってしまうからだ。
 正直、わたしも、病気とまではいかないまでも随分昔に、「小田急線恐怖」みたいなのがあった。混雑した小田急線に乗ると息が苦しくなり、涙が出そうになる。それで途中の駅でいったん降りて次の電車に乗ったりしていた。わたしの場合は、精神的な不安定さがあらゆることに対して過敏に反応するようになり、そういった身体症状として表れたのだと解釈しているが。
 うつ病の治療にも使われるSSRIだとか、抗不安薬ソラナックスワイパックスなどが処方され、緩和されることがあるが、おそらくそれは対症療法でしかないような気がする。薬(特に西洋薬)は、治すものではなく、緩和するものだからだ。頭痛薬を考えてみたらわかる。痛みの元を取り除くのではなく、神経に作用し、痛みを「感じなくさせる」だけだ。
 患者の「恐怖、不安」といった根本が解決されない限り完全な治癒は難しい。本人が、ある程度「いい加減」な具合を見つけて、「恥の無い完璧な生き方」など目指さずうまく肩の力を抜くことができたならおのずと状況は変わってくるのではないか、と思った。
 人間の、根本にあるもの、強い恐怖感=死だ。
 どこかでこれを受容することによって癒しが生まれる気がする。もちろん渇望するのではなく、いつか訪れる日を受け入れる、といった意味で。ポジティブな開き直りと言っていい。性格なんだから仕方ない、と諦めずに挑戦してみても損はないと思う。もちろん何かの心の支えを手に立ち向かえばいい。頓服薬でも、持っていると安心するもの、バッチフラワーレメディもきっとその助けになるはずだ。