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キュア

キュア cure

キュア cure

 ぶわーっと一気読み。引き込まれた。今わたしが漠然と感じていること、実感してること、があまりにスパスパと書かれていて、何でもっと早く読まなかったのだろう、というか今だからこんなに入り込むのか?(きっそそうだろうな)とか、何だかもうどうしようもなく、感情が溢れ出て来る。もはや恋に近いほどに運命的な共感。切ないな。
 私たちは海から生まれたのだ、とだいぶ昔に理科の授業で習ったことを、ずっと忘れて暮していた気がする。この身体の中に海がある。海を含んで塩辛い。汗や尿や涙や、身体の水は大地に沁み込みまた海に流れる。循環している。自然の一部だ。生まれ、そして老化し、死んで、また自然に戻る。そういう当たり前のことを、敗北とは呼ばない。何だかわたしたちは、不必要な戦いをしているような気がする。老いや病や死を異常に恐れ、アンチエイジング、いつまでも若く、生きながらえる・・・そんな夢?生命体はただ「生きろ」とプログラムされていて、それはがん細胞にしろ同じことだ。生きろ、生きろ、生き延びろ。
 でも確実に、誰もが死ぬ。いつか絶対に死ぬのだ。何かもう、ここ数年ずっと考え続けていることや、今直面してる問題がこの本の中にどかっと詰め込まれていて、息苦しいぐらい。
 泣きながら読み終わり、小説で良かった・・・と思った瞬間、これは現実だ、限りなく現実だ、と思いなおし、トイレに行く。おしっこをして、水を流した。わたしの一部が海へと帰って行った。