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トランスパーソナルの入り口

トランスパーソナル心理学入門 (講談社現代新書)

トランスパーソナル心理学入門 (講談社現代新書)

 定義としては、トランスパーソナル心理学=現代心理学+スピリチュアリティ→「個を超えたつながり」を志向する心理学。となる。近代合理主義において、目に見えない次元は軽視され、カットされてきてしまったけれど、人間存在はもちろんそれだけでは語れず、むしろ全体像を見失ってしまう結果になった。しかし人間は、魂だとか霊性だとかを切り捨ててしまっては生きる意味を実感できない。生きてることに意味を見出す、そういった部分も含めて考えていくのがこのトランスパーソナル心理学なのだ。
 ニーチェニヒリズムという側に立てば人生に意味なんてないのかもしれない。実際にはわからない。いや意味があるかないかなんてところまで決まってるわけでもなく、人間が生きるために考え抜いた思考の痕があるだけなのかもしれない。でも、今ここに存在しているのは事実だし、悩んだり苦しんだりもしながらも、事実生きている。何もかもが終わってしまうのなら努力したって楽しんだって無駄なんだ、とは思えずにいろんな本を読んだり、友達と語りあったり、家族と笑って生きている。しかもみんな「幸せになりたい」と願いながら。
 諸富氏が噛み砕いて説明するトランスパーソナル心理学のエッセンスはこれ↓

○“私のしあわせ”や“自己実現”。それはもちろん、大切なこと。
 でも、頑張りに頑張って“しあわせが手に入った”“自己実現できた”と思えた途端、なぜか“むなしさ”が襲ってくる。
 “私のしあわせ”や“自己実現”に執着し、それを追い求めているうちは、決してほんとうのしあわせは手に入らない、という心の法則。幸福のバラドックス。
 豊かになったはずなのに、なぜか心が満たされないのは、そのため。
 今、私たちに求められているのは、“自分”への執着、“自分のしあわせ”へのこだわりを捨てること。
 自分を超えた何かに、自分を明け渡すこと。自分を委ねること。
 私を超えた向こうから届けられてくる“人生の呼び声”に耳を傾けること。
 自分のしたいこと、自分の希望や願望を実現するのではなく、“自分がこの世に生まれてきたことの意味と使命”を“この人生であなたが果たすよう求められている何か”を実現しながら生きること。
 これがトランスパーソナル心理学の説くほんとうの幸せへの道。心の充実への道。

 怪しげな話ではない(笑)
 わたしも時々ハッとするのだけど、導かれてるなーって思うことがある。自分が意図していなかったのに、狙っていなかったのに、何故かそのチャンスが巡って来たり、人生を変える誰かに出会ったり。そこに意味を見出すか偶然と笑って流すかはその人次第だと思うけれど、意味がある!と気づくだけで生きてくことはだいぶ楽になる気がする。つらい経験を人と比べて「不幸」と思っていてはいつまでもその人は「本当に」不幸なままだ。
 何か大きなギフトを得るために暗く長いトンネルをくぐることがあるのだということを忘れないでおきたいと思う。
 昨年フランクルの本を読んでいたことで、何だかものすごく深く味わえたと思う。