『マイク・ミルズのうつの話』

『マイク・ミルズのうつの話』を観てきた。

今や日本人の15人に1人がかかっているともいわれる「うつ病」。しかし、2000年までは「うつ」という言葉は精神 科周辺以外ではめったに聞かれなかった。なぜ、この短期間で「うつ」は爆発的に広まったのか? 90年代のユース・カルチャーを代表する映像作家マイク・ミルズは、その理由のひとつに製薬会社によって行われた「心の風邪をひいていませんか?」という 広告キャンペーンがあると考え、その実態に迫るドキュメンタリーを作ろうと思い立つ。舞台は近年、急速にうつが常識化した日本。
撮影対象となる条件は、(1)抗うつ剤を飲んでいること(2)日常生活をありのままに撮らせてくれること。本作でマイク・ミルズは、うつ患者たちの壮絶な日常を、独特の優しく明るい目線で捉えることで、この現代を象徴する病気に対する処方箋を調合するとともに、今の日本社会の問題点も鮮やかに描き出す。

まったりとしたペース。それぞれの緩慢で、切ない日常。
日本の国民病である「うつ病」は、アメリカから輸入され製薬会社の宣伝によって蔓延していった?たぶんそういった部分は否定できないかもしれない。けれど、日本社会の、「こうあらねばならない」というもっともらしくて、だけど歪んだ認知が、優しくて感性の鋭い人たちを追い詰めていったような気がする。
自由でいい、好きに生きていい、そんなふうに思えなくさせる空気。
同じ色のスーツを着て、同じ時間に、会社に通って、残業もして・・・。そうしていれば誰からも非難はされないけれど、本来は自由を好む「こころ」は窮屈で、すさんでいくんじゃなかろうか。
なんて考えたりもする。

それにしてもパキシル飲んでる人多すぎる。
あれは、

他害行為と抗うつ剤との因果関係が否定できない症例が確認されたことから、2009年5月に厚生労働省より添付文書の改定を指示され、[重要な基本的注意]「自殺企図」の中に「攻撃性」のリスクが明示された。
パロキセチンの断薬は、危険性の高い中断症候群を引き起こすことがある
wikipediaより

っていう薬で、実際に私も過去にひどい目にあったことがある。
他害、自殺企図、攻撃性、全部現れた。しかも、断薬時(1人で勝手にやった)に、脳みそチリチリ地獄を味わうこととなった。あの不快感は何とも言えない。脳が痺れてピリピリとし、頭から脳みそを取り出して掻き毟りたくなるほどである。もう二度と体験したくない。
グラクソスミスクラインという製薬会社のCMで始まった、「心の風邪をひいていませんか?」キャンペーン。
パキシルは、グラクソスミスクラインの製品でもある。(関係ないけど、会社名に「クソ」が入ってるのがいつも笑えるwわたしもラミクタールでお世話になっているから、文句を言うつもりはない)
もちろん、薬で救われる人も沢山いる。
病とは、何か、生き方に気づくためのきっかけでもあるのだと思う。こころというもの、感情というもの、それはなかなかコントロールができない。それだからこそ、人生本来の醍醐味を味わい尽くせるのかもしれない。
人生を、「平穏で幸せなもの」と勘違いしてはいけない。
人生本来の性質は、苦しくて哀しくて、やりきれなさいっぱいで(だって、せっかく生まれたのにいつか終わりが来るって分っているのだから一体なんなんだよ!って思うさそりゃ)、だけど、こころ通う瞬間があったりとか、充実感や達成感、たまに感じる幸福感、そんなのも体験できたりする。
そもそも、生まれて死ぬまで100年もないような時間で、あーでもないこーでもない、悩んで悲しんで生きるのが人間なのかもね。
だから、うつとか、とても正常なことなんだろう。真面目に人生と格闘して生きていることに愛しささえ感じる。ロボットではないこと。こころを持っているということ。その体験をさせてもらっているんだな。この世界で。
・・・この映画の3分の1ぐらいは寝てしまったけどさ!