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『再婚生活 私のうつ闘病日記』

 

再婚生活  私のうつ闘病日記 (角川文庫)

再婚生活 私のうつ闘病日記 (角川文庫)

 

 昔、単行本で読んだ『再婚生活』だが、文庫本版では空白の2年2か月に何があったのかを振り返って追記されている。

テンションを上げて朝まで遊んだり、謎の痛みに苦しんだり、眠れなくてチャットをしていたり、入退院を繰り返し、結構激しい日々を送っている。いっぱい食べたり、食べられなかったり、酒やたばこやリタリン(その昔、難治性のうつ病に処方されることもあったちょっと覚せい剤にも近いような薬)にも依存するようなところもあったりして、アップダウンを繰り返してる。もしかすると今だと「うつ病」ではなく「双極性障害2型」とかの診断が出そうだな、なんて思った。いずれにしても、ご両親や夫、そして秘書や友人に支えられ、回復する。そのおかげで山本文緒の小説をこれからも読めるわけで、読者としても嬉しい限り。

回復したあとに、書けなかった時期のことを思い出して記述しているが、自分が恥ずかしい存在になってしまったように感じたことなど、頷けるところが沢山あった。

大平健さん(精神科医)の解説も面白いところを突いている。

不適切な抗うつ剤を処方されると訳の分らないアップダウンを繰り返すことがあると聞いたことがありますから、もしかして、僕が楽しそうと思った様々な活動も「抗うつ剤の副作用」だったのかもしれません。

(中略)

え?これは「日記」ですよ、ですって?確かにそうです。しかし、これは(病気であったとはいえ)コトバのプロが、読まれることを前提に、書くべき出来事と表現を選んで書いた「日記」です。

 もしかしたら、わたしたちは、山本文緒の闘病エンターテイメントに巻き込まれたのかも?!